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いざ、ニュー鎌倉。
ルートカルチャーとはいかなる集団か?

文・山北健司

 「自分たちの遊び場は自分たちでつくる」。口で言うのは簡単だが、それを実行するのはそう簡単なことではない。

 2006年2月、鎌倉市場にある休憩所「パラダイスアレイ」での雑談の中からルートカルチャーは生まれてきた。最初はいつもそこに集まっていた数人のメンバーから始まって、NPO法人となった今では上は40歳代から下は22歳まで。約30人のメンバーが所属している。彼らのうちの半分は鎌倉生まれの鎌倉育ちで、残りの半分はこの街の雰囲気が好きで後から鎌倉へと移り住んできた人間である。

 四方を海と山に囲まれたこの街は、古くは鎌倉幕府の時代から独自の文化をつくってきた。今でも昔ながらの住居や寺がたくさん残っているし、もちろん自然も多い。「ぼくも、そういった独特の雰囲気が好きでここにやってきました。確かに住むには申し分ない場所だと思います」、NPOを共同主宰する山岸清之進さんは語る。だがライブハウスも少なければ、映画館もない。ある時、自分たちが等身大で楽しめる、実はリアルタイムの文化が少ないことに気づいたのだという。幸い、メンバーにはクリエーターが多かった。彼らもモノはつくっているが発表は都内。地元の友人たちを呼びたくても、なかなか来てもらえないもどかしい状況をどうにかできないかと感じていたところだった。自分たちの住んでいる場所で普段のような、いや、それ以上に面白い活動ができないだろうか。毎度、顔を突き合わせているうちにこういう話になるのはある意味で必然の流れだったのかもしれない。

 まず彼らが考えたのは、「鎌倉と本気で遊ぶ」ということをテーマにした音楽のフェスティバルだった。妙本寺をメイン会場に「UA」や「NAIVES(ヤン富田+いとうせいこう+高木完)」、「パードン木村」、「キセル」といった鎌倉にゆかりのある豪華なアーティストが集まり、のべ3000人以上の人が集まる大盛況でそれは幕を閉じた。手づくりではあるが、自分たちの気持ちや今後の方向性がはっきりと伝わるフェスティバルだった。だが、その華々しいスタートの裏にはもちろん苦労もあった。「鎌倉の人間というのはよく悪くも保守的なところがあるんです。だからきちんと説明して、筋を通さなければいけない」。寺の周りにある家を一軒一軒回り、フェスティバルのことを説明して回った。一度きりではなく、継続してずっと続けていきたい。だからしっかりと理解を得る必要があった。だがイベントではいくら注意しても完全ということはあり得ない。苦情も来た、なかなかわかってもらえないこともたくさんあったという。「フリーペーパーや寺子屋をはじめたのは、もっとぼくたちの活動を鎌倉の人に知ってもらいたかったからです。財政状況は決していいとは言えませんが必要なことだと考えています」。

 2007年10月は、彼らがNPO法人として正式にスタートを切ってからちょうど1年になる。9月29日から10月28日の約1ヶ月間にはそれを記念したフェスティバルも予定されているという。収穫の秋ではないけれど、鎌倉の地に根を下ろした彼らの活動がそろそろ何かの実をつけてもいい頃だ。「ぼくたちは、ローカルな活動こそが今本当に面白いと思ってるんです」と力強く語る山岸さんの姿に、それを確信した。

<インフォメーション>
ROOT CULTURE FESTIVAL 2007
鎌倉とゆかりある詩人・中原中也と漫画家・横山泰三の2人の人物を取り上げ、鎌倉文学館(旧前田侯爵家・鎌倉別邸)における中原中也へのトリビュートの朗読とライブ、ギャラリーヨコ(旧横山隆一邸)における横山泰三の追悼展を中心に、鎌倉アートフォーラム、ワークショップなどを鎌倉市内各所で展開する。

日時:2007年9月29日(土)〜10月28日(日)
場所:鎌倉文学館(旧前田侯爵家・鎌倉別邸)、ギャラリーヨコ(旧横山隆一邸) ほか市内各所
詳細はこちらを参照 → http://www.rootculture.jp/






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