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 アート界の“今”を知る!
アートトピックTOP10

この数年、アート界隈ではどんなトピックが話題にのぼったのか?
編集部が独断と偏見で選んだアートトピックTOP10。
「スーパーバブル」とまで言われるアート界、激動してます。

第1位
アートバブル
景気のいい話なんてどこを探しても見つからない時代なのに、アート業界は“超”がつく程の好景気。IT企業を経営する実業家や、アジアを中心とする海外富裕層の潤沢なお金が投資目的で注ぎ込まれているアート業界、世界の2大オークション会社の取引額が、2007年はなんと1兆円を超えたというから言葉もでない。カルチャー産業の中で最も成功している音楽産業でも、ナンバーワンを走るアメリカの2007年度の総売上は1兆4000億円前後というから、アート産業がいかに好景気かお分かりいただけるだろうか。もちろん日本もバブルで盛り上がっているものの、特に欧米では、04年にピカソの絵画が113億円で落札されたのを皮切りに、クリムトの作品が155億円、ポロックの作品が163億円と次々に高値を更新し、「スーパーバブル」なんてキャッチフレーズまで飛び出す状況。将来高値で売れるんだから、先行投資でアートを買うのもあり?
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美術品オークションハウスとして有名なイギリスの「サザビーズ」
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なし

第2位
東京のアートフェア
東京はいまアートフェアが花盛り。アートフェアとは、アートの見本市のことで、その場で作品の購入を決めることができる。2008年1月に開催され入場制限がかかるほどの盛況をみせた「ART@AGNES」や、4月に東京国際フォーラムで開催された「アートフェア東京」の来場者は43000名にものぼったし、同時期に新しいアートフェア「101Tokyo 2008」が始まり、こちらは来場者数5000人、4日間で1億円の総売上を記録した。アートフェアはアートを買う場所だけど、別に買わないで見ているだけでもOKだし、普段は中目黒と清澄白河と銀座をはしごしなきゃいけないギャラリーたちがひとつの場所に集まってるお得感、これを逃す手はないでしょう。次の大きなアートフェアは、2008年11月22日〜24日開催の「東京コンテンポラリーアートフェア」。去年は1万円台の作品も出展されたこのアートフェア、いつものお財布にぎりしめて行ってみてはいかがでしょう?
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2008年で3回目を迎えた日本最大級のアートフェア「アートフェア東京」
[リンク]
アートフェア東京:http://www.artfairtokyo.com/index.html
101Tokyo contemporary art fair2008:http://www.101tokyo.com/jp/
東京コンテンポラリーアートフェア:http://tcaf.jp/
ART@AGNES: http://www.artatagnes.com/

第3位
アート情報、ネットで増殖中!
「あの映画、面白いらしいよ」っていうのはよく聞く会話だけど、「あの展示、面白いらしいよ」はあんまり聞かない。映画の場合、何十年か前に『ぴあ』っていう雑誌が生まれて、そこから映画の情報が発信されて、それをみんなが共有することから始まった。そして映画に遅れること数十年、空前の盛り上がりを見せているアートの分野で、たくさんのインターネットメディアが生まれてきている。その代表格が、東京のアート情報を網羅した「TOKYO ART BEAT」。東京での盛り上がりが派生してKANSAI ART BEATも立ち上がり、「実際どこ行けばいいの? 何が面白いの?」に応えている。雑誌「ARTiT」のWEB版も、全国の展覧会情報が見られたり、本誌と連動したインタビューを公開している。デザイン情報も扱う「ping mag」や「CBCNET」も好調らしい。ご存知(?)「CINRA.NET」でも毎日カルチャー情報を発信中だ。メディアがあると、それだけ色んな人が「これ、面白いね!」を共有するようになって、ムーブメントになっていく。「ねぇねぇ、あの展示見た?」が日常的な会話になる日も、そう遠くないはず!
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英語でも表示可能な「TOKYO ART BEAT」は国外からの閲覧者も多い
[リンク]
TOKYO ART BEAT
http://www.tokyoartbeat.com/
KANSAI ART BEAT
http://www.kansaiartbeat.com/
ARTiT
http://www.art-it.jp/index.php
ping mag
http://pingmag.jp/
CBCNET
http://www.cbc-net.com/
CINRA.NET
http://www.cinra.net/

第4位
アートスポット=デートスポット?
この数年で東京には新しいデートスポットや商業施設が増えているけど、デートのついでにアートスポットへ立ち寄るカップルも増えているらしい。たとえば昨年11月に表参道にオープンした商業施設「GYRE」(ジャイル)は、オランダの建築家集団MVRDVが設計を手がけ、ギャラリースペースも併設。ニューヨーク近代美術館の公式ストア「MoMA デザインストア」にて感度の高い商品ラインナップと出会えるのも特徴だ。また、日本を代表する3人のデザイナー、三宅一生、佐藤卓、深澤直人がディレクターを務めるデザイン専門施設「21_21 DESIGN SIGHT」も東京ミッドタウンと共にオープンしたり、六本木ヒルズにある「森美術館」は夜景デートスポットとしてお馴染み。美術館のチケット代には、展望台「東京シティビュー」の入場料も含まれており、“都市という名のアート”を鑑賞できるというわけなのだ。共通の好みや感覚が発見されるアートデートなら2人の距離も確実に狭まるはず!?
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日本を代表するデザイナーたちがディレクターを務める「21_21 DESIGN SIGHT」
[リンク]
GYRE
http://gyre-omotesando.com/
21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/
森美術館
http://www.mori.art.museum/

第5位
アートアワードに注目せよ!
先日まで森美術館で開催されていた「英国美術の現在史 ターナー賞の歩み」を見て、非常にうらやましいなと思ったのは、この賞がイギリス国民全体に広く認識されているということ。日本でこのような、新聞にも載るような現代アートの賞ってあったっけ…? と考えると、ちょっと首をひねらなければなりません。本当は、アート界にも賞は数多くあるのです。歴史あるところでは、赤瀬川源平も受賞暦のある「シェル美術賞」や、今年は「六本木クロッシング」での巨大ミラーボールも記憶に新しい鬼頭健吾が受賞した「五島記念文化賞」などがありますが、近年のアートシーンの盛り上がりからか、ここ数年若手作家を対象としたアワードが多く開設されました。美術大学の卒展から選りすぐりの作品を集めた「アートアワードトーキョー」や一次審査を通過したアーティストには必ず展覧会への参加資格が与えられた「アートバンクアワード」がそう。さらには東京ミッドタウンも新アワードを開催。アーティストにはチャンスを、鑑賞者には作品と出会うきっかけをさらに与えてくれるものになるのを願う。
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ARTIST INDEXで紹介した大垣美穂子は「アートバンクアワード」グランプリを受賞
[リンク]
シェル美術賞:http://www.showa-shell.co.jp/society/philanthropy/art/
五島記念文化賞:http://home.q02.itscom.net/gotoh-mf/prize/index.html#20
アートアワードトーキョー:http://www.artawardtokyo.jp/
アートバンクアワード:http://www.artbankauction.com/jp/award.html
大垣美穂子(ARTIST INDEX) :マガジン内リンク

第6位
Young Generations Power
アートバブルと盛り上がるのはもちろん、アート界にとっては喜ばしいニュースではあるのだけれど、それは「売れる」が前提の世界であるというのも無常なところ。そんな中、コマーシャルギャラリー(ギャラリストが展示を企画し、作品を販売しているギャラリー)ではない場でアーティストが独自に発信していく展覧会やイベントが増えている。小川希が吉祥寺にオープンしたアートセンター「Ongoing」では、展示に合わせ小説家の朗読会を開くなどアートの枠にとらわれない企画を行い、アーティスト岩井優が主宰するSurvivartでは、ドキュメンタリー・ムービー・プロジェクト「Art and Money」を五カ年計画で始動させた。売れる作品を作らなくても、僕らはちゃんと生きれるぞ! というある種、生命力の強さを感じる動きである。
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2008年春にオープンした「Ongoing」。CINRA.NETではオープンまでの一部始終を特集している
[リンク]
Ongoing: http://www.ongoing.jp
Survivart: http://survivart.net/
特集vol.36「アートスペースを作ってみる」(CINRA.NET):http://www.cinra.net/special/vol36/

第7位
ギャラリーお引越しブーム
2008年は、ギャラリーのお引っ越し&新規オープンラッシュだった。まず、六本木のギャラリービル「コンプレックス」の閉鎖により、「オオタファインアーツ」が勝どきに、「TARO NASU」が神田に、「ヴァイスフェルト」(現ラディウム)が馬喰町に転居するなど著名なギャラリーが散らばる結果に。また、神楽坂エリアからは児玉画廊や高橋コレクション、山本現代が、白金に新しくオープンしたギャラリービルに移転。さらに東麻布に「Take Ninagawa」や、「GALLERY SIDE 2」が開業するなど目まぐるしい動きをみせている。東京のアートシーンを支えるギャラリーたちの大移動により新たなムーブメントが起こされるのか、期待したいところ。ちなみに、今年4月に発刊されたばかりの美術手帖編集部による『東京アートガイド』には、ギャラリーを含む東京のアート&カルチャースポット550件が掲載されているので、要チェックです!
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東京のアート&カルチャースポット550件を完全網羅した『東京アートガイド』
[リンク]
オオタファインアーツ:http://www.otafinearts.com/
TARO NASU:http://www.taronasugallery.com/
ラディウム:http://www.roentgenwerke.com/05RADI-UM.html
Take Ninagawa:http://www.takeninagawa.com/
GALLERY SIDE 2:http://www.galleryside2.net/

第8位
デザインイベントクロニクル
今でこそ毎週どこかしらで開かれているデザイン系イベント。先駆けと言えるのは、00年に始まった「TOKYO DESIGNERS BLOCK(TDB)」だ。それまでにもデザインをテーマにしたイベントはあったけれど、業界人が多く敷居が高かったのも事実。TDBは、250組以上のアーティストが参加。青山のマンションを拠点とし、街や地域を巻き込んだプロジェクトとなった。そしてTDB内の1地区が独立し、04年に始まったのが「CENTRAL EAST TOKYO(CET)」。神田、馬喰町、浅草橋、日本橋、大手町など広範囲でギャラリーやオープンスペースを稼働させる試みは、今の地域型アートプロジェクトのロールモデルにもなった。最近では、07年秋に国立競技場で行われた「DESITN TIDE」が記憶に新しい。大規模な会場内では、その場で商談が始まるのと同時に、異業種や学生でも作品を見てイマジネーションを膨らませることができる。
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地域型アートプロジェクトのロールモデルにもなった「CET」
[リンク]
TOKYO DESIGNERS BLOCK:http://www.centraleasttokyo.com/tdb-ce/
CENTRAL EAST TOKYO:http://www.centraleasttokyo.com/
DESITN TIDE:http://www.designtide.jp/

第9位
美術手帖リニューアル
数多あるアート系専門誌のなかでも、芸術新潮とならんで認知度の高い『美術手帖』。ジャンプかマガジンか、リぼんかなかよしか、芸術新潮か美術手帖かという議論は尽きませんが、そんな美術手帖が、創刊60周年を迎えた2008年5月号で新装刊した。「これまで通り『アートの今』を紹介していくとともに『日本、そして世界を動かすアートとは何か?』を探るために、日本のアートを、もっとパワフルに、広く、深く伝えていきたい」(編集部)という思いのもと、アートディレクターに野口孝仁氏をすえたリニューアル号の特集は「あらうんどTHE会田誠」。まるでザ・テレ○ジョンのような強烈な表紙に目を奪われた人も多いはず。装刊2号目はうって変わってシックな表紙の「京都アート探訪」特集。雑誌が売れないと言われて久しい出版業界で、あえて今勝負をかけた美術手帖。リニューアルして何処へ行く?
<写真キャプション>
アート系専門誌の代表格『美術手帳』(2008年5月号)
<関連リンク>
美術手帳
http://www.bijutsu.co.jp/bt/

第10位
アートは政治のためじゃない
そもそもこの特集が「アートなんて解らない」というタイトルだけど、それでもただひとつ解ることは「アートは自由のためにある」ということではないだろうか? しかし、その「〜のため」が揺らぐできごとも起こっている。「渋谷アートギャラリー246」は、国道246号線の高架下に描かれた壁画郡だが、このギャラリースペースを理由に、ホームレスが排除されようとしているのだ。これに対し、アーティストらが「246表現者会議」を発起し、現在も月1回のペースで話し合いを続けている。また、6月15日まで世田谷美術館で開催されていた「冒険王・横尾忠則」展では、世田谷区の教育委員会が区内小学校22校の展覧会見学を「教育上不適切」といった理由で一斉にキャンセルさせるという事態が起こった。アートによって政治的な設計がなされてもいけないはずだし、アートが表現を規定してもいけないはず。アートは何のためにあるのかを、私たちは今一度考えなければならないだろう。
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渋谷駅東口と南口を結ぶ国道246号線沿いの駅高架下通路にある「渋谷アートギャラリー246」
[リンク]
246表現者会議:http://kaigi246.exblog.jp/

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