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uhnellysインタビュー

 

―uhnellysは活動を始めてから長いんですよね?

kim 高校の時の同級生と作ったバンドだったんですよ。uhnellysって名乗り出してから、もう8年は経ってます。音楽性も今とはかけ離れてて、3ピースでガレージロックを長いことやってました。ぼくはボーカルでもベースでもなく、ギターを弾いていて(笑)。

―今とパートすら違うじゃないですか(笑)。ガレージロックが、どうしてラップ入りのHIP-HOP調な音楽に変わっていったんですか?

kim ガレージロックをやってた頃から、ぼくは一人で今みたいな音楽を作り始めてたんです。そしたらuhnellysのボーカルがバンドを抜けてmidiと二人になって。それならもう、一人で作っていた音楽をuhnellysでやればいいやっていう感じでした。それが4年前くらいですね。

―kimさんはもともとHIP-HOPが好きだったんですか?

kim それがそうでもないんです(笑)。全然知らないし聴いたこともなかったんだけど、いい大人になってからHIP-HOP初期のコンピレーションCDを聴いてみたら、これが結構面白くて。リズムとかずれてるのに平気でループさせちゃう感じとか、そういうところは影響を受けたかもしれないです。音楽的なスタイルが面白いと思った感じですね。

―なるほど。midiさんにとってはかなり衝撃的な変化だったんじゃないですか?

midi 全然違うバンドになったし、HIP-HOPには偏見をもっていたくらいなので、やっぱりビックリしました。元のお客さんもサーッといなくなっちゃったし(笑)。ライブも、それまではループなんてしてなかったから、慣れるまではループにドラムを合わせるのも本当に大変でした。「無理!」って何回も言いましたから(笑)。

―ライブ中にループを作るのも、そのループに演奏を合わせるのも、至難の業ですよね? 職人芸だとすら思います。

kim 最初の一年くらいは本番でもちょくちょく失敗してたんですよ。でも、演奏し始めた曲を途中でやり直すのはカッコ悪いから、ずれたまま演奏を続けて…。何度もそういう経験しました。

midi そうそう、「このまま演奏続けるんだ〜!?」って本番中に何度も思った(笑)。最近はもう慣れたから失敗はしないですけど。

―そういう失敗を重ねつつ、今のステージが完成されたんですね。あのライブが二人だけで演奏されているなんて、観てる方からしたら驚きですよ。

midi 気がついたら、みんなの目線が足下(エフェクター)にいってたりするんですよ(笑)。

―あっ、今踏んだ!とか(笑)。他のバンドにはない面白い見所ですからね。

kim メチャクチャやりにくいんですけどね(笑)。

―uhnellysにはそうした演奏スタイルの面白さが確かにあるんですけど、本当に語られなきゃいけないのは演奏スタイルではなくて、「音楽の面白さ」だと思います。kimさんのラップが本当に力を持ってると思うんです。ラップが誰かの影響を受けたりしたんですか?

kim ラップは結構勉強したので、色々と聴きましたよ。三善/善三っていう、元ラッパ我リヤのMCが凄い好きですね。あとshingo02とかも好きですし。

―shingo02もそうだと思いますが、歌ってることにリアリティーがありますよね。難しいことを歌っているわけではなく、誰にでもドキッと刺さる歌詞だと思うんです。それを歌ってるkimさんに嘘がないから、ラップにも説得力があるし、フロウ(ラップのメロディー)もカッコいいですよ。

kim おお、そういうことあんまり言われないんで嬉しいですね! 歌詞は自分がuhnellysをやる上で一番大切にしている部分なんです。もう完全に、問題提起していきたいから音楽をやっていると思っているんで。

―そうなんですね。歌詞のテーマって、結構重たいことが多いですが、「言わなきゃいけない」という想いが強いんですか?

kim うん、それはありますね。ただ、そうやって感じたり考えたりしたことをそのまま書くのは誰にでもできるし、面白くないから好きじゃないんです。意見を提示はするけど、リスナーの人にもちゃんと考えてもらえるようにしたくて。

―確かに、kimさんの歌詞には物語があって分かりやすいです。

kim やっぱり考えていることをそのまま書くと暗くなっちゃうんです。だから曲を明るくしたり、ちょっとしたストーリーを作って聴きやすくしようとはしているんですよね。

―取材前のリサーチでuhnellysのblogをみていたら、blogが創作小話の連載枠みたいになっているじゃないですか? 時間を忘れて読みふけってしまいました。正直ビックリしました。

kim 物語を作るのはやっぱり好きで、高校生の頃からもう10年くらいやっているんですよ。ガレージやってる頃から、歌詞の書き方とは変わっていないですし。別に文学少年だったわけでもないんですけどね。でも最近、あのblogを面白いって言ってくれる人が増えて嬉しいですね。

―今作で特に気に入ってる歌詞はなんですか?

kim “糸”という曲があるんですけど、「蜘蛛の糸」っていう、昔からある物語をモチーフした歌詞なんです。「蜘蛛の糸」って、人を蹴落とさなければ糸は切れずに極楽へ行ける、蹴落とせば糸が切れて地獄に落ちるって話じゃないですか。でもそれは嘘で、たとえ人を蹴落とさなくたって絶対に地獄におちるっていう話にしたんですよ。

―簡単に言えば、「世の中甘くないよ」ということでしょうか?

kim そうですね。ニュースとか見てると、「甘えてるな」って思っちゃうことが多くて、いちいち反応しちゃうんですよ。オヤジみたいかもしれないですけど(笑)。

―いやでも、そういう芯があるからこそ、uhnellysには表現としての強さがあると思いました。

kim そういってもらえるのは本当に嬉しいですね。やっぱり今までのuhnellysの語られ方って、音楽スタイルの話に流れがちなんですよね。ただ今作は、そういうスタイル抜きで作った作品なので、前作よりはしっかりと歌詞が前に出て聴こえてくれるんじゃないかと思っているんですよね。

―そうですね。前作はライブをそのまま音源にした印象でしたが、今作は音源としての面白さを追求していて、それが成功している作品だと思いました。あのライブの面白さとは別の可能性が沢山つまっていたし、バラエティーに富んでいるから単純に聴きやすかったです。

kim 時間をおいて改めて前作を聴いてみると、曲自体がちょっと暗いんですよね。そこにぼくの明るくない歌詞が乗ってると、ちょっと聴きづらいかなと思ったんです。

―前作も良い作品でしたが、ドープではありましたよね。

kim そういうの作るのって、案外簡単なんですよ。アングラっぽく作るのは。今回はアルバムを作り出す段階で、プロデューサーと「ポップで明るめにいこう」と方向を決めたんです。分かりやすいものにしていこうと。その話をして、半年くらいで沢山曲を作りました。それ以前の曲はひとつも入っていないんです。

―そうだったんですか! でも、その注文に応えるのも大変ですよね。uhnellysにとっては、それなりの変化ではあると思いました。

kim 最初は本当に抵抗感があったし、悩みましたね。でもそこで悩んでいたのは、自分たちがライブのスタイルに縛られちゃっていたのかなと思ったんです。ライブで演奏できるかどうかを考えないで作ってみたら、すごい自由で楽しかったですし。まあぼくも半分ヤケで、本当に色々作りました (笑)。でも結果的にいい方向性だったと思うし、リスナーの人に聴きやすくなって良かったと思いますね。

-midiさんはどうでしたか?

midi 私は前からライブに縛られないで曲を作ったらもっと凄いものができるんじゃないかとは、思っていたんですよね。だから新作は、純粋に曲としていいと思えるものが沢山できたので気に入っています。

-kimさんは?

kim もちろん気に入っているんですけど、全部新曲だからまだ自分に馴染んでないっていうか、結構冷静に聴けるんですよ。昔聴いてたハードロックのアルバムみたいに、バラードが入っていたりとか、バラエティーに富んでるのはライブを考えずに作れたからで、何度も聴いてもらえる内容になってるんじゃないかと思いますね。あとはまあ、ライブでどうやろうかな? っていう悩みがありますけどね(笑)。

―今作を聴いてライブを観に来る人も多そうですよね。

kim そうなんですよ。だからライブの数減らそうかなって思ってるんですけど…。

―根本的な解決になってないですよね(笑)。

midi うん、結局ライブはやるんだから(笑)。ライブはライブで、音源の再現とは別の方向性で良さを追求したいと思います。あまり音源に縛られないような、ライブと音源それぞれの良さがあってuhnellysだと思われるような感じになりたいですね。

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